被相続人の死亡により相続が開始します。
身近な人が亡くなると葬儀業者や菩提寺、知人などへの連絡、そして通夜に始まって告別式、法要、納骨などの行事が続き、悲嘆にくれる暇もないと思うほど目まぐるしい日々が続きます。
それが、四十九日(七七日)を過ぎる頃になると行事などが少なくなり、故人をゆっくりと偲ぶことができるようになります。深い悲しみや喪失感に急に襲われるのもこの頃かもしれません。
そして、このような中で相続手続を進めていくことになります。
ただでさえ煩雑で面倒くさい相続手続です。やみくもに進めようとしてもイライラと焦りが募るばかりで、故人との懐かしい思い出が相続手続の苦労話で上書きされてしまいかねません。
相続手続の全体像とおおまかな流れと相続に関するちょっとした知識があれば、苦労はだいぶ少なくなるのではないかと思います。いつまでに何をしなければならないのか、どのような書類が必要なのかということなどを知っているだけで、二度手間をなくし無駄な手間を省き、有効に時間を使うことができるようになります。
また、相続手続の専門家を活用するという方法もあります。もちろん手間がゼロになるということではありませんし、それなりの費用が発生しますが、選択肢の一つとして検討する意義はあると思います。
故人を偲び、よき思い出を心の中に紡ぎながら、煩雑な相続手続にわずらわされることなく、ゆっくりと穏やかに、ありがとうの気持ちを抱きながらお別れをしたいものです。